ライティングセンターとは

ライティングセンターとは

ライティングセンターは、主に欧米で、文章を書きたい人(書き手)が自ら書くことを通じて、文章を書く技術《ライティング スキル》を習得するために設けられたものです。

書き手が文章を書くことを重ねる中で考える機会を持ち、批判的思考《クリティカル シンキング》や論理的思考《ロジカル シンキング》を身につけることも期待されています。


大学内のライティングセンターの歴史と現況

1980年代、アメリカの大学において、学生の基礎的ライティングスキルを育成することを目的として設置され始めました。現在ではアメリカ国内のほとんどの大学にライティングセンターが置かれています。

設置当初は、英語を母語としない留学生やレポート作成に悩みを持つ学生たちをターゲットとしていました。しかし、1990年代に入ると、学生はもとより、教員や職員に対するサポートも行う全学的な機関として位置づけられるようになります。

日本国内でもこの取り組みが注目され、早稲田大学ライティング・センター津田塾大学ライティングセンターが相次いで立ち上がりました。その輪は徐々に全国へと広がりつつありますが、まだ十全に整備されていないというのが現状です。

大学内のライティングセンターの特徴として以下の2点を挙げることができます。まず、大学でのレポートや論文作成(いわゆるアカデミックライティング)に対する指導を行うことを目的としていますが、文章の校正や添削を行われず、指導を受ける人が自発的に書くことを通じて「文章を書き上げる力」を身につける点にあります。次に、基本的に個別指導の形態を採用している点です。

なお、これらの点は、ライティングセンターのWebサイトに明記されています(例:MIT Writing & Communication Center)。


民間非営利のライティングセンター

一方、海外では、大学内のみならず初中等教育向けのライティングセンターが非営利組織として多く存在しており、学校外で放課後の時間帯や週末を利用したライティングに関連する取り組みが行われています。また、非営利組織が学校のカリキュラムに組み込まれたり、ライティング指導のメソッドを学校教員たちと共有するケースもあります。

826National
DaveEggersによって設立されたライティングセンター。サンフランシスコのバレンシア(826Valencia)に開設されたのを皮切りに、ニューヨーク(826NYC)やシカゴ(826CHI)などアメリカ国内8か所で活動が行われています。雑貨店などを活用した学習環境づくりが興味深い事例です。

Fighting Words
826Nationalから影響を受けたRoddyDoyleとSeanLoveによってアイルランドにつくられたライティングセンター。ストーリーテリングなどのワークショップが特徴的です。

La Grande Fabbrica Delle Parole
イタリアで行われているライティングセンター。作家やデザイナー、芸術家などが関わっていて、実験的な取り組みが多くあります。